【小説レビュー】「私が先生を殺した」マッチングガールおすすめの小説

マッチングアプリをやっていると、とある可愛い子とマッチした。
女の子は、突然僕に「かずひろさんのこと知っているかも…」と言ってきた。
僕はYouTubeなどで発信活動をしているので、YouTubeで見たことがある人なのだろうかと思ったが、どうやら過去の職場の同僚だったらしい。

10年前に僕は電気屋さんで携帯電話の販売をしていたのだけれど、女の子は、その同じフロアでインターネットの契約スタッフをしていたそうだ。
申し訳ないが、僕はその当時精神的に参っていて、被っていた期間が少なかったため、今となっては全く覚えていなかった。

それから色々とやり取りをして、その女の子の最近の趣味を聞くと、小説を読むここと、とのことだったのでおすすめの本を聞いた。

「私が先生を殺した」

元同僚とはいえ、かなり目を引くタイトルの小説をおすすめされた。
個人的にこういったタイトルでドン引きする性格ではないが、あまり初対面の人におすすめスべきタイトルではないように思える。

天然ちゃんなのだろうかと思いながら、僕はこの本をKindleで購入して読んでみた。

私が先生を殺した

【Amazon】私が先生を殺した (小学館文庫)

 

結論

先に結論を言うと、とても読みやすい小説ではあるが、1年後にはもう記憶から消えているような作品だなと言う感想だった。

 

はじまってすぐに、とある先生が屋上から飛び降りた。
なぜ飛び降りたのかを、様々な生徒の視点から読み解く小説である。

同じ時間を遡って違う視点で表現する作品として、僕が読んだことあるものとしては、劇団ひとりの「陰日向に咲く」がある。

【Amazon】陰日向に咲く

 

僕自身小説はあまり読まない人なので、こういった視点の作品はよくあるのかわからないが、「陰日向に咲く」はとても面白かったため、今回の「私が先生を殺した」もその当時を思い出して、ワクワクして読み進めてみた。

 

正直、よくある学生生活の中で、先生が生徒に手を出した、という事件が発生した。
それによって、先生はみるみる痩せこけていき、最終的に自殺をするという流れなのだが、全体的に最終ゴールに向かって少し不自然に登場人物が誘導されているような感覚に陥った。

 

特に自殺をした先生に共感できない行動が多々あり、その行動した理由の描写もないため、ありえなくはないが、不自然だなぁ…と思ってしまった。

例えば、生徒に手を出した瞬間の映像が何故か盗撮されており、その映像がネットに投稿されたのだが、その時の描写が教室のドアの端から撮影されていたということだったのだが、そんな大胆な手法だと見つかるだろうと普通に思う。

見つからないような工夫の描写もされておらず、子供向けアニメのような無理矢理感を感じた。

また、先生があるひとを殺害するシーンでは、殺害する必要はなかったし、感情的に突飛な行動をするような先生でもなければ、トロフィーで殴って一発で殺した。
うーん、トロフィーで一発で殺せるかなぁ…?
ガラスの塊みたいなトロフィーなら殺せるだろうけど、殴るまで縦長の金色のよくあるトロフィーをイメージしていたので、そのシーンを読んだときは「えっ?トロフィーで?」という感情になった。

殺された先生も、殺されるほどのことはしてないので、最終的に自殺する動機を作るために殺したとしか思えない。

また、事故で女性に手を出してしまった(胸に手が触れてしまった)後に、その女性に、このことは何があっても黙っているように、と釘を差したのだけれど、結局なぜ口外しないように言ったのかわからなかった。

「あれは事故でした。」などと弁明するなどすれば、それで終わりだろうし、先生が合理的に行動しているようには全く思えなかった。
各行動に先生の思考の描写もなく、本当に意味がわからない。
結果、結論へのストーリーのために動かしてるコマのようにしか見えなかった。

同じ学校内での話で、物語中での進む時間軸が短い期間の間でループするような進み方だったので、大きな変化がないまま常に進むので単調な感じがした。内容が薄いって言えばいいのかな?

読み進めていく途中では、想像できないどんでん返しが来るのかなとか考えながら期待していたんだけど、結局最後は突飛な殺人をして、自分も死ぬって、なんかリアルなのか不自然なのか逆によくわからないけど、物語の結末としては面白くなかった。

ちなみにこれって叙述トリックなのかな?
最後まで「私が先生を殺した」の死んだ先生=自殺した先生かと思える記述だったけれど、結局この私=自殺した先生で、殺されたのは、トロフィーで殺された先生ってことだよね。
この点は、面白い点なのかもしれないけど、同様に黒板に書かれたこの文字を見たときに、先生に手を出された(事故で)生徒は無言で泣きながら黒板消しで文字を消そうとしてたんだけど、なんで?生徒の行動に意味がわからなかった。

普通は自分が書いてないのに、自分が殺した(自殺するきっかけを作った)ということを何故か書かれている点に疑問を持ち、なにか変だなって思うような気もするけど、そもそも、もうよくわからん、うえーんって感じなのかな…
(読者を騙すために女の子が、そう行動しているとすると辻褄が合うので、やっぱり不自然)

それ言い出したらもう、人間の行動のランダム性というか小説としての辻褄というか推理することが意味なくなるし、うーん、これって面白いのかな?

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まとめ

結局この本をおすすめしてくれたマッチングガールとは、性格の不一致で、1度会うだけでその後は連絡を辞めることになったのだが、それで良かったと思う。

自分の考えと共通箇所があって、好きな小説のジャンルなども似ている方のほうが良いでしょう。

とは言え、久しぶりに小説を読むきっかけを作ってくれたので、その点は感謝したいなと思った。

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